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Azul図書室 今まで読んだ本の「自己の記録」であり、誰かの目に留まり手にとって読んで頂けたら、さらに嬉しいとても私的な「ブックコーナー」でもあります。時間つぶしにお立ち寄りください。
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さて、ちょっとイライラしていたときに本屋さんに行って、あまり考えなくて読める本を、って思って選んだ本。考えなくて、って思ったのに、「結婚しなくていいですか?」は、いろいろ考えてしまいます。
「なんで、junちゃんがこのタイトルの本買うの?」ってKに訊かれたけど、こう言われ続けたり、いいのかなぁって考えたりした期間が長かった私にとっ て、とてもすーっと入ってきたり、ごつごつ入ってきたりするものがありました。仕事のこと、家族のこと、出会いのこと、出産のこと、老後のこと、介護のこ と...想像力のない老若男女から受け続けるセクハラ。未だに「子供は?」って訊く人いますし。「老後寂しいよ」とか、意味不明のこともいいます、こうい う人って。子供がいたって寂しい人は寂しいのに。なので、主人公のすーちゃんやさわこさんの気持ちがとても普通に自然にわかります。人に「結婚っていい よ」「子供産まないの?」「親と住んでるの?パラサイト?」とかを何気なく言ったことのある人、ぜひこの本読んで、頭よくなってください。


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2007の2月に亡くなられたヴォネガットさんの遺作です。こういう作家さんがいるからこそ、アメリカはまだ大丈夫なのでしょう。→ こうゆう作家さんがいたからこそ、アメリカはまだ大丈夫だったんでしょう。
スロータハウス5」は、ぜひ、本当にぜひ。


アービングの小説に登場した、数知れぬ「フリーク(奇形)」たち。ピークは「ホテル・ニューハンプシャー」だったかなあ。「未亡人の一年」には、当時のようなフリークは登場しない。その代わり、4人の小説家が出てくる。これもフリークといえばフリークなのかもしれない。実経験以上のことをかけない小説家、実生活と重ねられることを嫌う小説家、実経験を超えることの出来ない小説家...小説って何なんだろう、って小説を読みながら思う不思議。個性的な登場人物、舞台となる土地の描写もあざやか。成熟の域に達したアービングっていう感が強い一作。その代わり、ラストに流す涙は、「ホテル・ニューハンプシャー」に比べれば少量です。でも、すごい。


あんまりいい思いすると、後が辛いんです。
かなり昔に、この小説の映画化作品をNHKだったかで見たことがあります。主人公は高峰秀子だったとおもいます。クールでものうげな横顔が印象に残ってます。ただ、こたつでごろごろしながら見たのがいけなかったのか、そもそもそういう映画だったのか、ところどころ睡魔に襲われ、ふと目を覚ますと主人公の男と女がぐだぐだやってるんですね。で、また少し眠って目を覚ましてみても、取り立てて改心してる風でもないんです。物語は戦時中のヴィエトナムから始まります。ダナンの美しい森の中で夢のような恋に落ちた男と女が、敗戦とともに日本に戻り、行き場のない心と体をただただ堕としていく。最期を、雨が永遠に降りつづくかのような屋久島で迎えます。女がみんな死んじゃって男が濡れ雑巾のように生き残るんですね。ああ、こいつはこんな風に80歳まで生きるんだなあ、なんて。不思議に映画はあれだけ眠りながら観たのに、ちゃんとストーリーを覚えてた!林芙美子の文章力と、ストーリーテリングの巧みさのせいかもしれない。こんな小説家がいたんだ、日本に。


沢木が年老いたというのなら、君が伝説となればいい
書かれたのは昭和47年。沢木氏もまだ20代前半(!)。伝説となった「深夜特急」の旅以前のルポになる。 やっぱり若々しいぞ!場所は「与那国島」。すぐ目と鼻の先は台湾。 戦後まもなくこの島は台湾からの密貿易つまりヤミ市で大いに繁栄したという。 繁栄の理由はまったく違うけど長崎の「軍艦島」を思い出してしまった。沖縄返還によって、それでも日常的であった台湾との交わりは規制が厳しくなってゆく。過疎化も進んでゆく。でも老人たちにとっては住みやすい極楽の島。 今はどんな島になっているんだろう。わたしの「夢」の中にでてきた「島」に似ているような気がする、と白昼夢する...

この短編が入っている「人の砂漠」

ひとつの政権の崩壊、似ているようで違う「死」
年末の本大整理のときに発掘されて、その後も放置されていたが、沢木耕太郎の「一号線を北上せよ」のヴィエトナム紀行に書かれていた「マジェスティックホテルからのサイゴン川」の一節に惹かれて再読。その風景の絶対的な生命(いのち)の前を、妻の死、そしてひとつの国の死が通り過ぎてゆく。この本のなかで一番美しく、哀しいワンショット。 
NHKのアーカイブ放送で「特派員報告~サイゴン陥落」をやっていた。崩壊後、米軍や政府軍の建物から家具や家電を略奪する風景はバクダッドと同じ。 子供も老人も総出で、なんとなくガレージセール帰りの一家のような風情。
あれから30年以上たち、ホーチミンが昔サイゴンと呼ばれていたことを知らない世代にとってヴィエトナムは「癒しと雑貨」の国。いいじゃない、戦争よりいいにきまってる。でも、そんな人たちにこの本もやっぱり読んで欲しいけど。


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