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Azul図書室 今まで読んだ本の「自己の記録」であり、誰かの目に留まり手にとって読んで頂けたら、さらに嬉しいとても私的な「ブックコーナー」でもあります。時間つぶしにお立ち寄りください。
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ひとつの政権の崩壊、似ているようで違う「死」
年末の本大整理のときに発掘されて、その後も放置されていたが、沢木耕太郎の「一号線を北上せよ」のヴィエトナム紀行に書かれていた「マジェスティックホテルからのサイゴン川」の一節に惹かれて再読。その風景の絶対的な生命(いのち)の前を、妻の死、そしてひとつの国の死が通り過ぎてゆく。この本のなかで一番美しく、哀しいワンショット。 
NHKのアーカイブ放送で「特派員報告~サイゴン陥落」をやっていた。崩壊後、米軍や政府軍の建物から家具や家電を略奪する風景はバクダッドと同じ。 子供も老人も総出で、なんとなくガレージセール帰りの一家のような風情。
あれから30年以上たち、ホーチミンが昔サイゴンと呼ばれていたことを知らない世代にとってヴィエトナムは「癒しと雑貨」の国。いいじゃない、戦争よりいいにきまってる。でも、そんな人たちにこの本もやっぱり読んで欲しいけど。


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